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幻水5はネタバレしてます  byぷり
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うーん、リヒャルトとミューラーさんって、ふたりで完結しているようにも見えるけど、二人の関係が狂っているようにも見えるのね。
せつないので、狂った関係のほうは考えないようにしていたんだけど、さっき、トイレのいる時に、ブワッと頭にひとつの妄想が襲いかかってきたのね。
これは吐き出しておいた方がいいかもしれない。
でないと、ずっとあたちの心の中で、モニュモニュする。
なので、ちと吐き出させてください。

うまく書けないので、小説風にしました。



小説風とほざくからにはタイトルつけないといかんのか?

じゃあ……


「血塗れの剣」


 クソでもねえガキを拾っちまった。
 俺が、てめえの親父をぶっ殺したとわかっていて、俺になついてきやがる。うす気味が悪ィ。それどころか、どんなに怒鳴っても、どついても、俺を慕いやがる。こいつはもう、頭がイカレているとしか思うしかねえ。
 まあ、しようがねえ、あんな親父に育てられりゃ、イカレもするだろう。しかも、あの親父のイカレた血まで混ざってるんだから、これでイカレねえ方がおかしいってもんだ。
 なんでそんなガキを手元に置いているか、自分でもよくわからねえ。ただあいつを天涯孤独にしちまったのは俺だということと、あとは、あいつが自分で選んだ道が今の状態だってこと。
 また都合のいいことに、ガキのくせに腕が立つ。こいつは、もうちょっと訓練すりゃあ、モノになる。使いようによっちゃ、うちの団の得になる、なんて考えちまったのが間違いの元だった。
 なにが間違いだったか、わかったのは、あいつが初めて戦場に出た時のことだった。
 あいつは、思いどおり、敵陣に突っ込んで、切って切って切り裂いて、まるで舞うように剣を振った。
 団の連中は、目を瞠り、「鬼神だ」「百人力だ」と志気を高めたが、ヴィルヘルムは眉をしかめた。
「狂ってやがる」
 後にあいつは剣王と呼ばれるようになるが、その時のあいつは、まるであいつ自身がひと振りの剣のようだった。
 しかも、切れ味の良い剣。
 つまり、殺人の剣だ。
 あいつは、返り血で真っ赤になっていった。全身に血がこびりついていた。自分の剣が使い物にならなくなると、死者から剣を奪って敵を切った。
「死に神だ!」
 誰かが叫んだ。敵ではなく、味方だったかも知れない。
 俺は、我知らず、心の中で叫んだ。
「違う!」
 あいつはそんなものじゃない!
 だが、どう見ても死に神そのものだった。
 あいつを、そんなふうに育てたのは、俺だ……。
 後悔の念が、胸に湧いたのはその時だった。やっぱりあんなガキ、どこかに捨ててくりゃあ良かった。
 やがて、敵が退き、あいつが、まるで血の塊になって戻ってくる。全身が血の色だ。買ったばかりの鎧は、もう使いものにならないだろう。金色の髪は、血で固まっている。顔なぞ、どこに目鼻がついているのかもわからないぐらいだ。
 うちの荒くれ団員どもがおぞけを振るって、退いたぐらいだった。
 あいつはそんな姿で笑いやがった。いや笑おうとしたら、口が血で固まっていたので、何度も口許を拭った。
 血だるまのガキが、俺を見上げて笑う。狂った光景だ。
「ミューラーさん、ボクがんばったよ」
 そして、俺に誉めてもらいたがっている。
「なんだそのなりは、はやく洗って来い」
 これからも、あいつは人を殺す。傭兵団に身を置いているかぎり、そうせざるを得ない。
 強くなれと言ったのは俺だ。だからあいつは強くなって、いつも俺に誉めてもらおうと思っていた。
 そして、本当に強くなった。
 だが、俺は、あいつを誉めることは、きっとない。
 あいつの返り血は、川で洗ったぐらいじゃ、なかなか落ちなかった。革の鎧は皮膚にへばりくっついて、三人がかりでやっとはぎとった。あいつ自身も手足に大きな怪我を負っていた。戦いの中で興奮して、自分の怪我に気づかなかったらしい。


 その日の夜。あいつは、俺に誉めてもらえなかったのを気にしていたらしく、寝る前に俺のところに来てこう言った。
「ボク、次はもっとがんばるよ」
 次はもっと、人をたくさん殺すよ。そう云っていることに、なぜ気がつかないのか、このガキは。
 さっさと寝ろ、と追い払い、俺は額に手をやった。
 この道を選んだのは、あいつだけじゃない。俺もあいつが選んだ時に、同じように選んでいたのだ。こうなる道を。
「クソ……」
 思わず漏らしたつぶやきに、ヴィルヘルムの声が重なった。
「おめーだけの責任じゃねえ。あんま考えこむな」
 そう云って、やつはおどけたように眉を上下した。
「今日の風は荒かったなあ、だけど、明日は別の風が吹く。今日の風を気に病むことはねえよ」
「なんのことだ……」
「さあね、酒でも飲むか」
 とぼけた男だ。
 俺は、ヴィルヘルムの差し出した酒の瓶をつかんで、残り少なくなったそれを一気に飲み干した。
 あいつの剣を容赦ないだけの血の剣にするかどうかは、俺ら大人しだいかもしれねえ。そう考えたら、少し気が楽になった。
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