幻水5はネタバレしてます
byぷり
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リヒャルトが、ミューラーにくっついて来て、初めていっしょに飯を食った時。
場所は宿屋の一室、部下に食事を運ばせて3人だけで食っている。
食事しながら、この後リヒャルトをどうしようか、相談しているわけ。
ミューラーさんの考えとしては、どこかに預ける方向。
ヴィルヘルムの考えとしては、預ける50%。(真面目に考えると)
他50%。(おもしろければなんでもいい。成り行きしだい。リヒャの気持ちも考えんとな)
そんな相談をしながら、食っているわけだが、
リヒャルトは、部屋の隅っこにたたずんで、じっと、ふたりを見ている。
ミューラー「なにやってんだ、こっちに来て食え」
リヒャルト「え……? 食べていいの?」
顔を見合わせるミューラーとヴィルヘルム。
ミューラー「いいもクソもあるか、とっとと食え」
トコトコとテーブルにやってくるリヒャルト。パンをひと切れつまむ。
リヒャルト「じゃあ、これください」
ヴィルヘルム「オイオイ、それだけじゃ足りねえだろ、もっと取れ、スープもあるぞ」
リヒャルトびっくりしたように目を瞠る。
リヒャルト「いいの?」
スープの皿とパンをもって、部屋のすみっこに行く。そこにしゃがんで食べ始める。
再び顔を見合わせるヴィルヘルムとミューラー。
ミューラー「おめえ、なにやってんだ、こっちでテーブルについて食え」
リヒャルト「いいのっ?」
ヴィルヘルム「あたりめーだ」
ヴィルヘルム、肉や野菜をパンに挟んで、即席「男のサンドイッチ」を作って、リヒャルトの皿にドンとのっける。
リヒャルト、椅子におずおずと座って、目の前のサンドイッチに目を剥く。
リヒャ「これ、全部食べていいの?」
ヴィルヘルム「おめえ。どーゆー育てられかたしてんだ?」
リヒャルト「おいしいね、パンおいしいねっ」
ミューラー「オイ……、スープ飲む時はスプーンぐらい使え」
リヒャルト「ボクのスプーン……」
渡されたスプーンを宝物みたいに見つめるリヒャルト。
ヴィルヘルム「おめー、家じゃいつも犬食いだったんか?」
リヒャルト「なにそれ?」
ヴィルヘルム「いや、いい……」
スプーンで上手にスープを飲めないリヒャルト。
ミューラー「てめー、スプーンの持ちかたも知らねえのか!」
ヴィルヘルム「こりゃあ1からだな、ミューラー」
隊長、ミューラーの肩を叩く。
ミューラー「なんで俺の肩を叩くんだよ……」
夜は夜で。
ミューラー「とりあえず、おめーは下っ端だから、ここで寝ろ」
即席で作った固いベッドにボロ毛布。
リヒャルト「ベッドで寝ていいの? この毛布、ボクの?」
ミューラー「……おめーのだ」
リヒャルト「枕もある!」
きったねえ枕を抱きしめて、嬉しそうなリヒャ。
ミューラー「うるせえ! とっとと寝ろ!」
リヒャルト「外で寝なくていいの?」
ミューラー「………………」
もうミューラーさん、黙っていられませんでしたとさ。
何日かして。
ヴィルヘルムの服の裾をひっぱるリヒャルト。
ヴィルヘルム「ん? どうした?」
リヒャルトあどけない顔をして。
リヒャルト「あのね、近所の人が云ってたんだけど、ボクのお父さんは、イカレてるから、ボクもそのうちにイカレちゃうんだって。ホントかな?」
ヴィルヘルム「……んなことあるわけねえだろ」
リヒャルト「もしもボクがイカレちゃったら、ボクもミューラーさんに殺されちゃうのかな?」
ギョッとする隊長。
ヴィルヘルム「あほう! そんなことは絶対にねえ!」
リヒャルト「でも、みんなが云うんだ、ボクのこと『おかしい』って。ボクはもうイカレちゃってるのかな?」
ヴィルヘルム「わかった! 俺がおめえの親父になってやる。だからおまえはイカレねえ、せいぜい女好きになるぐらいだ、わかったか?」
リヒャルト「ウン」
ヴィルヘルムも黙っていられませんでしたとさ。
その頃、まだふんぎりのつかないミューラーさんは、諦め悪く、人に預けるなどと云っていたのだが、
ヴィルヘルムに
「スマン、あいつの親父になるって云っちまった」
と頭を下げられ、もう引き取るしかなくなった。
場所は宿屋の一室、部下に食事を運ばせて3人だけで食っている。
食事しながら、この後リヒャルトをどうしようか、相談しているわけ。
ミューラーさんの考えとしては、どこかに預ける方向。
ヴィルヘルムの考えとしては、預ける50%。(真面目に考えると)
他50%。(おもしろければなんでもいい。成り行きしだい。リヒャの気持ちも考えんとな)
そんな相談をしながら、食っているわけだが、
リヒャルトは、部屋の隅っこにたたずんで、じっと、ふたりを見ている。
ミューラー「なにやってんだ、こっちに来て食え」
リヒャルト「え……? 食べていいの?」
顔を見合わせるミューラーとヴィルヘルム。
ミューラー「いいもクソもあるか、とっとと食え」
トコトコとテーブルにやってくるリヒャルト。パンをひと切れつまむ。
リヒャルト「じゃあ、これください」
ヴィルヘルム「オイオイ、それだけじゃ足りねえだろ、もっと取れ、スープもあるぞ」
リヒャルトびっくりしたように目を瞠る。
リヒャルト「いいの?」
スープの皿とパンをもって、部屋のすみっこに行く。そこにしゃがんで食べ始める。
再び顔を見合わせるヴィルヘルムとミューラー。
ミューラー「おめえ、なにやってんだ、こっちでテーブルについて食え」
リヒャルト「いいのっ?」
ヴィルヘルム「あたりめーだ」
ヴィルヘルム、肉や野菜をパンに挟んで、即席「男のサンドイッチ」を作って、リヒャルトの皿にドンとのっける。
リヒャルト、椅子におずおずと座って、目の前のサンドイッチに目を剥く。
リヒャ「これ、全部食べていいの?」
ヴィルヘルム「おめえ。どーゆー育てられかたしてんだ?」
リヒャルト「おいしいね、パンおいしいねっ」
ミューラー「オイ……、スープ飲む時はスプーンぐらい使え」
リヒャルト「ボクのスプーン……」
渡されたスプーンを宝物みたいに見つめるリヒャルト。
ヴィルヘルム「おめー、家じゃいつも犬食いだったんか?」
リヒャルト「なにそれ?」
ヴィルヘルム「いや、いい……」
スプーンで上手にスープを飲めないリヒャルト。
ミューラー「てめー、スプーンの持ちかたも知らねえのか!」
ヴィルヘルム「こりゃあ1からだな、ミューラー」
隊長、ミューラーの肩を叩く。
ミューラー「なんで俺の肩を叩くんだよ……」
夜は夜で。
ミューラー「とりあえず、おめーは下っ端だから、ここで寝ろ」
即席で作った固いベッドにボロ毛布。
リヒャルト「ベッドで寝ていいの? この毛布、ボクの?」
ミューラー「……おめーのだ」
リヒャルト「枕もある!」
きったねえ枕を抱きしめて、嬉しそうなリヒャ。
ミューラー「うるせえ! とっとと寝ろ!」
リヒャルト「外で寝なくていいの?」
ミューラー「………………」
もうミューラーさん、黙っていられませんでしたとさ。
何日かして。
ヴィルヘルムの服の裾をひっぱるリヒャルト。
ヴィルヘルム「ん? どうした?」
リヒャルトあどけない顔をして。
リヒャルト「あのね、近所の人が云ってたんだけど、ボクのお父さんは、イカレてるから、ボクもそのうちにイカレちゃうんだって。ホントかな?」
ヴィルヘルム「……んなことあるわけねえだろ」
リヒャルト「もしもボクがイカレちゃったら、ボクもミューラーさんに殺されちゃうのかな?」
ギョッとする隊長。
ヴィルヘルム「あほう! そんなことは絶対にねえ!」
リヒャルト「でも、みんなが云うんだ、ボクのこと『おかしい』って。ボクはもうイカレちゃってるのかな?」
ヴィルヘルム「わかった! 俺がおめえの親父になってやる。だからおまえはイカレねえ、せいぜい女好きになるぐらいだ、わかったか?」
リヒャルト「ウン」
ヴィルヘルムも黙っていられませんでしたとさ。
その頃、まだふんぎりのつかないミューラーさんは、諦め悪く、人に預けるなどと云っていたのだが、
ヴィルヘルムに
「スマン、あいつの親父になるって云っちまった」
と頭を下げられ、もう引き取るしかなくなった。
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